私の婚約者は隠れSP!? 〜毎日が甘くて溶けそうです〜
第1章:始まり
朝の光が、薄いカーテンの隙間からそっと部屋に忍び込む。白い光は床に柔らかな模様を描き、まるで新しい物語の幕開けを告げるようだ。
私はベッドの上で身を起こし窓の外を眺めると、まだ静かな街並みが見える。遠くでかすかに聞こえる鳥のさえずりが聞こえて来た。
そして、胸の奥でざわめく感情。
今日から、私は名家の御曹司――私の婚約者である彼と同居を始める。政略結婚という、どこか冷たく響く言葉。
それなのに、なぜか心は落ち着かず、期待と不安が交錯していた。昨日まで自分の部屋だったこの空間とも、今日でお別れだ。
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