私の婚約者は隠れSP！？ 〜毎日が甘くて溶けそうです〜

　「はい……」


　小さな声で答えると彼はゆっくりと近づき、ベッドの私の隣に腰を下ろした。その距離感に、胸の鼓動が速まる。

　彼の存在は、いつも私の心を包み込むような温かさを持っているのに、今夜はどこか違う空気が漂っていた。まるで、何か大切なことを告げようとしているかのように。


　「実は……僕には、隠していたことがあります」


　悠真は少し俯き、真剣な表情で言葉を紡いだ。その声は、いつもより低くてどこか重みのある響きだった。私は思わず身を固くし、彼の次の言葉を待つ。

　隠していたこと？ 頭の中で、さまざまな想像が駆け巡る。政略婚の裏に隠された何か？ それとも、私に関わる秘密？ 胸の奥で、不安が小さな波となって広がる。


「僕は政治家の家系に生まれました」

「それは知ってますけど……」

「でも、それだけじゃありません。僕には……SPとしての顔もあるのです」

　「……SP？」


　思わず声を漏らし、彼の顔を見つめた。