私の婚約者は隠れSP!? 〜毎日が甘くて溶けそうです〜
エピローグ
朝の光が屋敷の大きな窓から柔らかく差し込み、淡い金色の光がカーテンの隙間を縫いベッドのシーツに温かな模様を描いている。
私はそっと目を覚まし、隣に視線を移した。そこには、悠真――私の婚約者が静かに眠っていた。
柔らかな寝顔、穏やかな呼吸、枕に触れる黒髪の滑らかな光沢。すべてが、まるでこの瞬間を永遠に閉じ込めたいと思うほど美しかった。
彼の手のひらが、シーツの上で私の手に触れている。その温もりに、胸の奥がじんわりと熱くなる。
政略婚の相手だと思っていた彼が、今では私の心のすべてを占める存在になっていた。この人なしでは、もう生きられない――そんなふうに思ってしまっている。
そっとベッドから起き上がり、彼の髪に触れる。さらりとした髪の感触が、指先に心地よい。私は思わず微笑みながら、そっとその髪を撫でた。すると、彼のまぶたが小さく動き、穏やかな声が響く。
「おはよう、遥さん」
その声に、胸がぽっと温かくなる。私は彼の瞳を見つめ、自然に笑顔がこぼれた。