推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「宝条さん。さっきの答えだけど……meteor(メテオ)と関わらないっていうのは、無理だよ。わたしは、meteor(メテオ)のマネージャーとして、皆さんのことを守るって決めたから。それとね……宝条さんがmeteor(メテオ)のファンなら、推しが悲しむようなことは絶対にしちゃだめだよ」
「っ、何よ……あなたに何がわかるのよ!」
怒った宝条さんに、頬を思いきりビンタされた。
爪がかすめたのか、左頬がピリピリする。切れちゃったのかもしれない。
でもわたしは、宝条さんから目を逸らさずに、思いを伝える。
「宝条さんの気持ちは、わたしには分からないけど……でもね、わたしもmeteor(メテオ)のファンの一人なんだよ。だからね、宝条さんがmeteor(メテオ)のことが大好きなら、ファンのために頑張ってる皆を悲しませたり、それを裏切るようなマネは、しちゃダメだと思うの」
この一週間、meteor(メテオ)の皆がライブに向けてレッスンする様子を見てきた。
皆、見にきてくれるファンの子たちに喜んでほしい、笑顔になってほしいって、そんな思いで頑張っていたことを知っている。
だからこそ、行動は間違っていたかもしれないけど、皆から幸せをもらっていたって断言できちゃうくらい、meteor(メテオ)のことが大好きな宝条さんに、こんなことしてほしくないって思ったの。
それを知ったら――きっと、星穏さんたちは悲しむと思うから。