推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「っ、何よ、何よ何よ、ドウシテ……!」
すると突然、宝条さんの身体から、黒いもやのようなものが出てきた。
「っ、宝条さん!? どうしたの……!?」
その身体をよく見れば、腕や顔に、うろこのような模様が浮き出ている。
もしかしてこれって……セイレーンの呪いの影響を受けてるってことじゃない?
まさか、セイレーンの呪いが、こうして人に関与しちゃう力があるなんて……!
どうしようって焦っていれば、近づいてきた宝条さんの手が、わたしの首をつかんできた。
そのままグッと締め付けられる。
「っ、くるし……ほうじょ、さ……やめ、て……」
宝条さんに、わたしの声は全然届いていないみたい。
声を出せないし手も動かせないから、陰陽術を使うことも出来ないし、頼りになるコンブには、別の仕事を任せているからこの場にはいない。
(もう、だめかもしれない……)
意識がもうろうとしてきた――その時だった。