推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


(コンブ、お願い。星穏さんに憑いてる悪鬼を祓ってきてくれる?)

(はぁ。めんどくせーけど、あるじからの(めい)だからな。わかったよ)


コンブは、他の人からは見えないように姿を消した状態で、わたしのポケットから飛び出てきた。
そして、星穏さんの方に真っ直ぐ向かって行く。
慌てている悪鬼をふさふさの尻尾でブンッと払えば、悪鬼は目を回して落下し、そのまま消滅してしまった。


(ふぅ、無事に祓うことができてよかった。それにしても……やっぱり星穏さん、カッコよかったなぁ)


去っていく星穏さんの背中を見つめながら、その場でほうけていたら、いつの間にか悠月がステージから下りてきていた。


「いつまでボーッとしてんの」

「え? ……あ、悠月」

「おれのこと、ちゃんと見ててくれた?」


不機嫌そうな顔の悠月に、片方の頬っぺたをむにっと摘ままれる、


「み、見てたよ! すっっごくカッコよかった!悠月があんなにダンスが上手だなんて知らなかったから、びっくりしたし! わたし、何だかドキドキしちゃったよ……!」

「……そう。ならよかった」


素直な感想を伝えれば、悠月は驚いたように目をパチリと瞬いてから、目の下を赤く染めて、照れくさそうに、嬉しそうに、微笑んだ。

meteor(メテオ)の新メンバーになっちゃうなんて、悠月ってばすごいね! って、伝えようとしたんだけど……。

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