推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


「なぁ! そういえばさぁ、また出たんだってよ。人魚姫のバケモノ!」


――耳に届いた言葉に、わたしと悠月はハッとして、耳を澄ませる。


「この前にあった、meteor(メテオ)のライブ後のことだろ?」

「そうそう! パイプ椅子が勝手に倒れて、そこに人魚みたいな姿をした黒いもやが見えたって言ってたやつがいるんだよ!」

「何かさ、meteor(メテオ)のライブがある時によく目撃情報があるよなぁ」

「それは、やっぱりあれじゃね? 歌姫である人魚姫が眠ってるっていう伝説通りってことだろ」


楽しそうに話していた男子生徒たちは、そのまま校舎に向かって行ってしまった。


――さっきの男の子たちが言っていた通り、鶯花咲学園には伝説があるんだ。

この地には、歌姫ともいわれている人魚姫が眠っている。
この学園で学んだものは人魚姫のご加護をさずかり、勉学はもちろん、歌や芸能といったあらゆる才能が開花するだろう。

そんな言い伝えが残されているんだって。

まぁ、わたしたちが解決するためにきた“セイレーン”は、人魚姫に似た生き物でもあるから、その言い伝えも完全に間違ってるってわけではないんだけど……。

でも、怪奇現象が起こっている時点で、ご加護をさずけてくれているって感じはしないよね。
むしろ危害をくわえにきてるんだもん。

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