推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


何百年も前に、セイレーンの身体の一部がこの学園の敷地に埋められているってことは、かなり昔に、ウチとは別の陰陽師のひとたちが調べて分かっていたことなんだって。

言い伝えによれば、それを封印したのは、神通力っていう、不思議な力を持った日本人らしいんだけど……海で偶然見つけたセイレーンを、研究目的と面白半分でとらえて、身体の一部を斬り落としたらしいの……! ひどい話だと思わない?

そして、その身体の一部を、この地に封印したってわけ。

だけど長い時が経って、封印の力が弱まってきたから、陰陽師に再度の封印の依頼がきたの。
だけど、学園のどの辺りに封印されているのか、どれだけ調べても分からないから、学園の建物を取り壊すことになったんだって。

だけど、学園長先生がそれを断固拒否したから、こうしてわたしと悠月が、生徒として学園に通いながら、調べることになったってわけなんだよね。


「紗南、難しい顔してんなぁ」


あらためて聞いた情報を頭の中で整理していたら、コンブが制服のポケットからひょっこり顔を出した。
お弁当に入れてきた昆布の佃煮をあげれば、喜んでもぐもぐしている。

可愛くて癒されていれば――どこか怒った顔をしているように見える悠月が、こちらに向かってくるのが見えた。

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