推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「たしかに、それもそうやな。……でもきっと、紗南ちゃんが可愛ええから、すぐに気づけたんやろうなぁ。あの時のことも、ずっと覚えとったし」
「は? アンタ、視力悪いのかよ」
悠月が怒った声で、星穏さんにつっかかる。
でもそれって、わたしに対してもすっごく失礼じゃないかな!?
「ちょっと悠月! それって、わたしが可愛くないって言いたいわけ?」
「いや、そうじゃないけど……」
(今の、三つ編みおさげで分厚いメガネで顔がかくれてる紗南が、ほんとはめちゃくちゃ可愛いって気づけるやつ、早々いないだろ)
――悠月はそう言いたかったのだが、自分だけが知っている紗南の素顔を知られるのがイヤで、グッと押し黙ったのだった。
「まぁとにかく、鳴宮くんはmeteor(メテオ)の新メンバーにはならないってことでいいいのかな?」
元宮さんが、確認するように尋ねる。
せっかくのチャンスなのに、ちょっともったいないなって思っちゃうけど……悠月が興味がないっていうなら、それはしかたないよね。
悠月は口を開こうとして、だけどわたしの顔を見ると、一旦話すのを止めたみたい。
何かを考え込むような顔になったかと思えば、ゆっくりと話し始める。