推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


「たしかに、それもそうやな。……でもきっと、紗南ちゃんが可愛ええから、すぐに気づけたんやろうなぁ。あの時のことも、ずっと覚えとったし」

「は? アンタ、視力悪いのかよ」


悠月が怒った声で、星穏さんにつっかかる。
でもそれって、わたしに対してもすっごく失礼じゃないかな!?


「ちょっと悠月! それって、わたしが可愛くないって言いたいわけ?」

「いや、そうじゃないけど……」

(今の、三つ編みおさげで分厚いメガネで顔がかくれてる紗南が、ほんとはめちゃくちゃ可愛いって気づけるやつ、早々いないだろ)


――悠月はそう言いたかったのだが、自分だけが知っている紗南の素顔を知られるのがイヤで、グッと押し黙ったのだった。


「まぁとにかく、鳴宮くんはmeteor(メテオ)の新メンバーにはならないってことでいいいのかな?」


元宮さんが、確認するように尋ねる。
せっかくのチャンスなのに、ちょっともったいないなって思っちゃうけど……悠月が興味がないっていうなら、それはしかたないよね。

悠月は口を開こうとして、だけどわたしの顔を見ると、一旦話すのを止めたみたい。
何かを考え込むような顔になったかと思えば、ゆっくりと話し始める。

< 43 / 109 >

この作品をシェア

pagetop