推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「今朝のライブを見ただけで、そんなことまで気づいてくれてるなんて……紗南ちゃんのこと、ますます気に入ったわ」
「え?」
「紗南ちゃんが、おれらのマネージャーに適任やな!」
今のわたしの発言のどこを気に入ってくれたのかは分からないけど、星穏さんはすごく嬉しそうな顔で笑っている。
「そうだね。小戸森さんなら、俺らのマネージャーになったからって変に媚びたり、俺らの気を引こうとおかしなまねをすることもなさそうだし」
「そうそう。それにゆづちゃんだって、紗南ちゃんがマネージャーしてくれないと、グループに入ってくれないんでしょ? それなら、紗南ちゃんにはマネージャーとしてがんばってもらうしかないよね」
「ちょっと待ってください。ゆづちゃんって、もしかしておれのことを言ってますか?」
「うん、そうだけど?」
「今すぐやめてください」
「えー、かわいいじゃん。ゆづちゃん」
有栖さんの“ゆづちゃん”呼びに、悠月は不満げな顔だ。
するとそこで、スマホの画面を確認した元宮さんが声を上げる。
「あと五分で昼休みも終わるし、とりあえず戻ろうか。話はまた放課後にしよう」
「え、もうそんな時間なんですか?」
いつの間にか、かなりの時間が経っていたみたい。