推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
第七話 放課後の勧誘
つつがなく授業を終えて、今は放課後だ。
わたしは悠月と一緒に、三階フロアの端の方にある部屋の前まできていた。
「ここが、meteor(メテオ)のミーティングルーム……!」
meteor(メテオ)の皆さんは、ここでダンスや歌のレッスンをしたり、打ち合わせをしたりしているってことだよね。
わぁ、すごいなぁ……!
――なんて、扉の前で感動している間もなく、悠月がガラリと扉を開いてしまった。
「お、きたきた。待ってたよ~」
「お、おじゃまします!」
「あはは、そんなに緊張しなくても、とって食べたりしないから大丈夫だよ~」
にこにこ愛らしい顔で笑っている七海さんが出迎えてくれる。
七海さんはジャージ姿で、よく見れば顔が少し火照っている。運動でもしていたのかな?
ミーティングルームだというこの部屋は、大きな机を囲むようにして、三人がけの革張りのソファが二つ置いてある。
ホワイトボードには、メンバーの名前や小さな丸、矢印なんかが書かれているけど……これは、ダンスのフォーメーションの確認をしていたのかな?
端の方には観葉植物なんかも置いてあって、すごくオシャレな空間だ。
純子ちゃんに聞いたんだけど、meteor(メテオ)は配信活動で稼いだお金の一部なんかを、学園に寄付しているんだって。
その代わりに、こうして部屋を貸してもらっているらしいんだ。
生徒間の暗黙のルールで、この部屋にはメンバー以外の生徒は近づかないように決められているらしいの。
だからこそ、部外者のわたしがここにいてもいいのかなって、ちょっとビクビクしちゃうんだけどね。