推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


「とりあえず、座って座って~。ホットとアイスの紅茶と珈琲、あとはサイダーとミネラルウォーターがあるけど、二人は何がいい?」

「それじゃあ、私は冷たい紅茶でお願いします」

「アイス珈琲で」

「はいはーい。ちょっと待ってねぇ」


七海さんは、冷蔵庫から取り出した飲み物をグラスに注いでくれる。
というか、ミーティングルームに冷蔵庫まで完備されてるんだ。本当にすごいなぁ。


「……あれ? 星穏さんと元宮さんは、まだきてないんですか?」

「星穏と潤はね、あっちだよ」


七海さんが指さす方を見れば、白い壁には窓が取りつけてあって、隣の部屋の様子が見れるようになっていた。
どうやら隣の部屋が、レッスンルームになっているみたい。
のぞいてみれば、壁の一面が鏡張りになっている。

星穏さんと元宮さんは、鏡の前でダンスを踊っているみたい。
耳をすませば、微かにメロディが聴こえてくる。


「今朝、ゆづちゃんのダンスを見てさ、それぞれ負けず嫌いに火が付いちゃったみたいで。三人で練習してたんだぁ。おれは二人がくる頃かなって思って、抜けてきたんだよ」


軽やかにステップを踏んで、そこからターン。
二人で目を合わせて、ハイタッチ。

わたしは、二人が楽しそうな顔で踊っている姿から、目が離せなくなってしまった。

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