推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「もしかして紗南ちゃん、二人がカッコよすぎて見惚れちゃってる?」
七海さんが、からかい交じりの声で聞いてくる。
わたしはほぼ反射で、大きくうなずいてしまった。
「はい! すっごくすっごく、カッコいいです……‼」
どうしよう、頬っぺたが熱い。自分の顔が、すごくゆるんでいることが分かる。
だって、レッスンをしている姿すら、こんなにもきらきらしていて、見ているこっちにまでワクワクが伝わってくる。
meteor(メテオ)のことは今日知ったばかりだけど、星穏さんだけじゃなくて、グループごと推しちゃいそうだ。
「……紗南ちゃんってさ、ほーんと可愛いよね。純粋無垢って感じでさ」
「え? ……って、」
横を向けば、すごく近い距離に、七海さんの顔があった。
チョコレート色の瞳に射抜かれて固まっていれば、目を細めた七海さんは、さらに顔を近づけてくる。
「あ、あの、七海さん? 何してるんですか?」
「んー? 何しようとしてると思う? っていうか、有栖でいいよ」
「あの、やめっ……!」
綺麗な顔がすぐ目の前にあってパニックになっていたけど、誰かに手を引かれたことで、七海さん…じゃなくて、有栖さんから距離をとることができた。