推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「それ以上、紗南に近づくな」
手を引いてくれたのは、悠月だった。
そのまま有栖さんから隠すようにして、抱きしめられてしまう。
「ちょ、ちょっと悠月!?」
「紗南も、無防備すぎ。簡単に触られんな」
「そ、そんなこと言われても……!」
「ごめんごめん。ゆづちゃんってば、そんなに怒んないでよ~。紗南ちゃんの反応が可愛いから、つい、ね」
この現状に、悠月はなぜだかイライラしているみたいだし、有栖さんは楽しそうに笑っているし。
どうしようって困っていたら、レッスンルームに続いている扉が開かれた。
「お、二人ともきてたんやな! ……って、なんや悠月くん、怖い顔して有栖のことにらんでへん?」
「へへ、ちょーっとからかいすぎちゃった」
「有栖、何やってるのさ。……まぁとりあえず、皆で座って話そうか」
てへぺろ、と可愛く舌を出している有栖さんに、元宮さんはあきれた顔を向けながらも、全員をソファに座るよううながした。
二人がきてくれたおかげで、悠月のピリピリした空気も少しは薄れたみたい。
とりあえず、落ち着いて話し合いができそうでよかった。