推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


「……はぁ、わかったよ。でも、一人で危ないマネはするなよ」


悠月はため息を漏らしながらも、わたしの思いを聞き入れてくれたみたい。

――そして、いよいよライブが始まった。
キレキレのダンスに、のびやかな歌声。ステージの上できらきら輝く三人の姿はすごくまぶしくて、目が離せない。

星穏さんは、左手首を怪我しているはずだけど、そこは袖の長い衣装を着ることでお客さんには見えないようにしているみたい。
すっごく腫れていたから絶対に痛いはずだけど、怪我しているなんて思えないくらいに激しくダンスをしたり、ステージの上をめいいっぱい動き回っている。


「皆、すっごくカッコイイね」

「……まぁ、悪くはない」


隣でステージの上をジッと見つめている悠月も、meteor(メテオ)のパフォーマンスを見て、少しは感動してくれたみたい。
そっけない返しだけど、興味がなかったら、こんな風に見入ったりしないだろうしね。


「みんな~! あらためて、今日は集まってくれてありがとうな!」

「次がラストの曲だよ! 最後まで盛り上がっていってね!」


そして、ライブもとうとう終盤だ。
このまま何事もなくライブが終わるかなって、安心していた、その時だった。


「っ、あれって……!」


――お昼に中庭で見た時と同じ、黒い影が現れたのは。

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