推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
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「紗南ちゃん、それに悠月くんも! 見ててくれてありがとうな!」
ステージ裏に下がってきた星穏さんは、真っ先にわたしたちのところにきてくれた。
「いえ! 無事にライブが終わってよかったです」
「おん! ちなみに、おれらのライブはどうやった?」
「ライブは……さいっっこうでした! すごかったです! 歌もダンスもパフォーマンスも全部カッコよくて! 目が離せませんでした……!」
思ったままの感動を伝えれば、星穏さんは嬉しそうに、くしゃりと笑った。
「……なぁ。やっぱ紗南ちゃん、おれらのマネージャーやってみぃひん?」
「え?」
「紗南ちゃんがお昼に応急処置をしてくれたおかげで、きてくれたお客さんに最高のパフォーマンスを届けることができたんや。それに、さっきのバケモノやって、紗南ちゃんたちが追い払ってくれたんやろ?」
やっぱり星穏さんは、あの黒い影を追い払ったのがわたしたちだって、気づいていたみたい。
「おれな……紗南ちゃんに、いちばん近くで見ててもらいたいって。そう思ったんよ」
星穏さんに、そっと手を握られる。
ライブ終わりだからか、その手はすごく熱い。
その熱がわたしにまで移っちゃったのか、触れた手からどんどん身体が熱くなってくる。
「おい、離れろ」
だけど握られた手は、悠月によってすぐに離れていった。