推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


***

「紗南ちゃん、それに悠月くんも! 見ててくれてありがとうな!」


ステージ裏に下がってきた星穏さんは、真っ先にわたしたちのところにきてくれた。


「いえ! 無事にライブが終わってよかったです」

「おん! ちなみに、おれらのライブはどうやった?」

「ライブは……さいっっこうでした! すごかったです! 歌もダンスもパフォーマンスも全部カッコよくて! 目が離せませんでした……!」


思ったままの感動を伝えれば、星穏さんは嬉しそうに、くしゃりと笑った。


「……なぁ。やっぱ紗南ちゃん、おれらのマネージャーやってみぃひん?」

「え?」

「紗南ちゃんがお昼に応急処置をしてくれたおかげで、きてくれたお客さんに最高のパフォーマンスを届けることができたんや。それに、さっきのバケモノやって、紗南ちゃんたちが追い払ってくれたんやろ?」


やっぱり星穏さんは、あの黒い影を追い払ったのがわたしたちだって、気づいていたみたい。


「おれな……紗南ちゃんに、いちばん近くで見ててもらいたいって。そう思ったんよ」


星穏さんに、そっと手を握られる。
ライブ終わりだからか、その手はすごく熱い。
その熱がわたしにまで移っちゃったのか、触れた手からどんどん身体が熱くなってくる。


「おい、離れろ」


だけど握られた手は、悠月によってすぐに離れていった。

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