推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「何ですって! あなた、自分の立場が分かってないみたいね!」
「そうよ! わたしたちがわざわざ忠告してあげているのに……!」
「待ってちょうだい。……分かったわ。言っても聞いていただけないなら、その身体で、分かってもらうしかないわよね」
そう言った先輩の一人が、ポケットから何かを取り出した。
――ハサミだ。
「ちょ、ちょっと。それはまずいんじゃなくて?」
「あら、大丈夫よ。ほんの少し怖がらせるだけだもの」
一人の先輩は止めようとしているみたいだけど、ハサミを手にした先輩はわたしに近づいてくると、空いている片手でわたしの長い髪をつかんできた。
「さぁ、どうするの? マネージャーをやめていただけるかしら?」
この先輩は、こうしてわたしを脅せば、わたしがイエスと答えると思っているのかもしれないけど。
「……ですから、さっきから言ってますよね。何度聞かれても、わたしの答えは変わりません」
わたしよりも少しだけ背の高い先輩を見上げて、その目を真っ直ぐに見て伝える。
先輩は、わたしが頷かなかったことに驚いているみたいで、動揺した顔をしている。