推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~


***

「……遅い」


ソファに腰掛けて休憩していた悠月が、不機嫌たっぷりの声でつぶやいた。


「確かに、紗南ちゃん遅いよね。出ていってから、もう二十分は経つのに」


時計を見た潤が、同意するように頷いた。
すると悠月は無言で立ち上がり、扉の方に向かって行く。


「ゆづちゃん、どこ行くの?」

「紗南を迎えに行く」

「あは、やっぱりねぇ」


有栖がそう尋ねれば、予想通りの答えが返ってきた。


「……何だか、嫌な予感がする」


悠月はポツリとそう言うと、部屋を飛び出していった。
すると、星穏もその後を追いかけるように部屋を出ていこうとする。


「えっ、星穏も行くの?」

「おん! おれも紗南ちゃんが心配やからな!」


バタバタと走っていた二人を見て、潤と有栖は顔を見合わせる。


「……俺たちも行こうか」

「そうだねぇ。皆に愛されてる、おれらのマネージャーちゃんを迎えにね」


クスリと笑った二人も、ソファから腰を上げ、星穏たちを追いかけたのだった。

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