反抗期の七瀬くんに溺愛される方法
第3章 頑張れと言ってほしい
 放課後の教室。
 黒板には「球技大会 種目分け」と書かれた一覧が貼られている。

「もうすぐ球技大会だよな」
 夏樹が何気なく言うと、小春は席に座ったまま顔を上げた。

「そうそう! 何に出るの?」
「俺はバスケ」
「へぇ〜!なつくんらしい」

 にやりと笑う小春に、夏樹はむすっと眉をひそめる。

「で、小春は?」
「私はねー……サッカー!」
「は? 小春サッカーなんてできんの?」
「いや、全然できないよ。でも他にできそうなのなかったの!」

 苦笑する小春に、夏樹は呆れたように肩をすくめる。
 でもその口元は、ほんの少しだけ緩んでいた。
< 18 / 157 >

この作品をシェア

pagetop