反抗期の七瀬くんに溺愛される方法
 歩きながら、ふと小春が躓きそうになって足をひょいと上げた瞬間、
 夏樹が軽く手を伸ばし、すっと腕を支える。

「……おい、しっかりしろよ」
 ぶっきらぼうだけど、その声には優しさが混じっていた。

 小春は思わず目を見開き、顔が真っ赤になる。
 でも、安心感と胸の高鳴りが同時に押し寄せ、なんだか心地よかった。

 ふたりの距離は自然と縮まり、言葉にせずとも伝わる空気があった。
 夕日の柔らかい光の中、青春の甘く熱い余韻が、ゆっくり、でも確実に二人を包んでいた。

 夏樹は少し照れたように視線を逸らしながら、ぽつりと呟く。
「……また聞きたい。小春の頑張れの声。」

 小春は胸がぎゅっと熱くなり、思わず小さく頷いた。
 その瞬間、二人の心の距離はさらに近づき、言葉にできない特別な時間が静かに流れた。
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