反抗期の七瀬くんに溺愛される方法
 席が隣の私たちは、秋が話しかけてくれたおかげで、すぐに仲良くなった。

「小春と席が隣になれて、こうして話せて嬉しいよ」

 秋は社交的で、よく笑う人だ。
 その笑顔は、まさに“サン王子”――太陽みたいにまぶしい。

「こちらこそ。話しかけてくれてありがとう」

 言葉も綺麗で、素直で。
 一緒にいるだけで、自分の心まで少し澄んでいくような気がした。

 秋は少し視線を遠くに泳がせて、ぽつりと話し出す。

「一昨日、こっちに着いたときのことなんだけどさ。転んだ小学生に声をかけて、手をつないで一緒に横断歩道を渡ってあげる女の子がいたんだ」

「え?」

「その子が、ずっと気になってたんだ。優しくて、優しい笑顔で――君と話したいって思ってたんだ」

 秋は、まさかまた会えるとは思わなかったよと少し照れた表情を浮かべた。
その言葉に、胸の奥がぎゅっと熱くなる。
 秋の瞳は、真っ直ぐに小春を見つめていた。
 無邪気で素直な笑顔と、言葉のひとつひとつが、私の心にじんわり染み込んでいく。
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