もしも、あっちの部活を選んだら?
中学校に入学してからあっという間に二週間が経った。

最初は着慣れなかった制服も、毎日着てたら今はしっくりしてきた。
鏡の前でリボンの位置を確認する。制服を着ていると少しだけ大人になった気分。

私の通う中学校には私の通っていた小学校の他に、二つの小学校から入学してくる。
クラスの半分以上は知らない人でまだ少し緊張するけど、美優がいるからちょっぴり安心。

友達と一緒のクラスだと心強いよね。
あとは、いつも引っ付いているコウもいるしさ。

「おはよう、真澄」

教室に入ると美優がニコニコ手を振ってきた。

何だか今日はいつもより少しだけ緊張する。
だって今日は部活の入部届を出す、締切日なんだよね。

「入る部活、決まった?」

「うん、決まったよ」

中学生にとって部活ってめちゃくちゃ大切。

部活選びで中学校生活が決まるって言っても過言じゃないもんね。

昨日の夜も布団に入ってからずっと考えていて寝不足になっちゃったよ。

でも朝起きた瞬間、パッと閃くようにここにしようって決意ができたんだ。

まるで神のお告げのような直感。
私はこの直感を信じてみることにする。

美優はバスケ部への入部届をすでに出している。

小五の時に私たちの小学校に転校してきたんだけど、転校する前からバスケを習ってたんだって。
美優と一緒にバスケ部の見学にも行った。

私は初心者でドリブルすらうまくできなかったけど、美優は先輩たちの練習に混じって楽しそうにしてたもんな。

私は、私の決めた道を信じることにする。
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