壁の中の彼氏
 そんな風に考えてダンボールに張り付いているガムテープをすべて引き剥がしていた。
 一気に冷気が溢れ出す。
 同時に血の匂いが鼻孔を刺激して少しむせた。
 一体何が入っているんだろう。
 発泡スチロールを丁寧に取り出して言った先に見えたのは透明なケースだった。
 ケースを取り囲むようにしてドライアイスが置かれている。
 そして透明ケースの中にあったものは……。
 突如強い嘔吐感に襲われて俺はその場にうずくまり、何度かえずいた。
 ケースの中に見えた薄いピンク色の物体。
 それはホラー映画や手術ドラマなんかでよく見る人間の臓器に似ていた。
 だけど作り物じゃない。
 正真正銘の本物だった。
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