壁の中の彼氏
「建築会社の人はせめてもの供養として、俺のネタ帳を一緒にこの壁に埋めてくれたんだ。だから俺は君にネタを提供することができた。これがなければ、小説家になりたかったことも忘れていたかもしれない」
亜美は男の話を聞きながら立ち上がり、机に向かった。
ペン立てからハサミを取り出す。
そしてその刃先を壁に突き立てた。
ガンッ! と音がして壁が少し剥がれる。
「なにをしてるんだ?」
「この壁を壊す。あなたはもう全部を思い出した。行方不明者の飯島明人で間違いないんだから」
また、刃を突き立てた。
ポロポロと白い壁紙が落ちていく。
ベッドの上が汚れて行くけれど、気にはならなかった。
亜美は男の話を聞きながら立ち上がり、机に向かった。
ペン立てからハサミを取り出す。
そしてその刃先を壁に突き立てた。
ガンッ! と音がして壁が少し剥がれる。
「なにをしてるんだ?」
「この壁を壊す。あなたはもう全部を思い出した。行方不明者の飯島明人で間違いないんだから」
また、刃を突き立てた。
ポロポロと白い壁紙が落ちていく。
ベッドの上が汚れて行くけれど、気にはならなかった。