壁の中の彼氏
 電気の光が穴の中を照らし出す。
 そこにあったのは、骨だった。
 細かく砕かれているけれど、原型をとどめているものもある。
「骨よ!」
「け、警察に連絡を!」
 両親が慌てふためき、階下へと下りていく。
 骨の横に青いメモ帳が置かれているのが見えた。
 亜美は右手を穴に差し込んでそれを手に取った。
 とても古いメモ帳だけれど、風雨や太陽光が原因の劣化は見られず、開いて見ると文字を読み取ることができた。
 そこには今まで亜美が書いてきた短編ネタが書かれていた。
 それ以外にも、亜美がまだ男から聞いていなかったネタが山程書かれている。
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