壁の中の彼氏
  少し強引に押し切るようにして決まった引っ越しだったけれど、その一軒家を見ると亜美の中にくすぶっていた父親への不信感はあっという間に取り払われていった。
「大きな家だね!」
  今までマンションにしか暮らしたことのなかった亜美はまず大きな庭とガレージに感動した。
  ガレージには車がニ台止められるようになっていて、シャッターもついている。
  その横には芝生と白い小道のある庭が広がっているのだ。
  天気のいい日はこの庭でピクニックができそうだ。
  そしてメインの家はニ階建てで白い外壁が輝き、赤い屋根が可愛らしい。
  小さなころに遊んだお人形の家を思い出す。
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