壁の中の彼氏
「だろ? 亜美ならきっと気に入ると思ってたんだ」
「ほら亜美、ぼーっとしてないで手伝って」
  父親と母親が車のトランクから荷物を運び出しながら言う。
  大きな荷物はすでに業者によって運び込まれているから、後は細々としたものばかりだ。
  亜美はすぐに手伝いに加わった。
  早く自分の部屋を確認したくて仕方ない。ここから新しい物語が始まるんだ。
  亜美の目はキラキラと輝いて、その家を見つめたのだった。

☆☆☆

  亜美の部屋はニ階の階段を上がって一番手前の部屋だった。
  クリーム色の壁に可愛い出窓がついている。
< 7 / 70 >

この作品をシェア

pagetop