【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 それでもラウルは聞いているのかいないのか、ただ熱い眼差しをリネットに向け見下ろすだけ。
「リネット……」
 どこか情欲を孕む声で、リネットにささやく。
「キスをしてもいいだろうか?」
「ちょっと待ってください。朝、きちんと『おはようのキス』はしましたよね? いくら恋人同士になったという設定であっても、不要なキスは行わない関係です」
「あぁ……君が言いたいこともわかる。だが、これも例の呪いのせいだとしたら?」
 どういうこと? とリネットは首を小さく傾ける。
「いや、まだ我慢はできるんだ。だが、この衝動が強くなったら取り返しがつかない。いや、午後から訓練があるというのに、それに集中できない」
「はぁ……」
 そこでリネットは、ラウルの股間に視線を向けた。いや、座っているリネットに対してラウルが立っているため、リネットの目線とラウルのそこがちょうどいい高さにあった。
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