【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 残りの半分は、皮がついているにもかかわらず、ラウルが大きな口で食べてしまう。
 リネットが食べ、残ればラウルが食べ。ときどき、リネットがくすっと微笑を浮かべれば、ラウルは満足そうに小さく笑う。
 食事が終われば、空いた食器類をラウルが片づける。その間、リネットはぼんやりとソファに埋もれたまま。
 そうやってぼんやりとしている間に風呂の用意は整い、入浴の時間となる。
 たっぷりと湯の張られたバスタブ。そこに身を沈めて、リネットははたと思った。
(あれ? もしかして今、快適な生活を送っているのでは?)
 食事は黙っていても出てくるし、挙げ句に、ラウル手ずから食べさせてくれるから、ひな鳥のように口を開けて待っていればいい。こうやって風呂の用意もしてくれるし、洗濯はメイドたちがなんとかしてくれる。
(これではまさしく、エドガー先輩が言っていたなまけもののような生活……)
 そんな生活で本当にいいのだろうか。
 ラウルは今、リネットによって命を救われている。リネットが離れてしまえば、彼は死んでしまうから、側にいて快適ななまけもの生活を与えているだけ。
(もし、団長さんの呪いが解けてしまったら……?)
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