【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「そうなんですか? なんで?」
 リネットは小首を傾げ、ラウルを見上げた。
「なんでと言われてもなぁ……とにかく、よくわからんが複雑なんだよ」
「う~ん。甘いものが足りないんですかね? ほら、糖分が足りなくてイライラしているとか?」
「そうか。だったら、薬草園の見学が終わったら、どこかで甘いものを食べて帰るか?」
 急にラウルの顔が輝いたように見えた。
「いいですね」 
 リネットもその提案には同意する。
「何か食べたいものはあるか?」
「う~ん。そうですね……」
 ラウルに甘いものをすすめたのに、リネットが食べたい物を聞かれるとは予想外だった。
「今はすぐに思い浮かばないので、帰りまでには考えておきます」
「わかった」
 ラウルが、握っている手に力を込めた気がした。
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