【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 すべてにおいて「面倒くさい」という言葉で済ませていたリネットだが、ラウルと過ごすうちにそういった気持ちも薄れてきたらしい。
「さて。薬草園の後は、甘い物を食べに行く約束だったな。何がいい?」
 忘れていたわけではないが、リネットの頭の中は先ほど見た薬草でいっぱいだった。
 だから急に甘い物と言われても、思い浮かばない。だがここで「なんでもいい」と言ってしまえば、ラウルはまた変な顔をする。リネットだって、ラウルの人となりを理解しているのだ。
「う~ん、そうですね。少し動いたから、喉が渇きました。ちょっと汗もかきましたし……」
「そうか。美味しいデザートを出す店を教えてもらったんだ。そこへ行こうか?」
「はい」
 苦手な日差しの下だというのに、リネットは思っていたよりも嫌な気持ちになっていないことに気が付いた。ただの杞憂だったのか、それともラウルと一緒にいるからか。
 いつものリネットであれば、このまま官舎に戻ることを提案しただろう。
 だけど今は、彼の言う美味しいデザートが気になってしかたない。
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