【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 苦笑しつつもそう言ったリネットは、寝る気満々だ。
 むしろこのままラウルに流されてはならない。だが、そんな想いは容易く折れそうな自覚もある。だからさっさと寝てしまおうと、そう考えたのだ。
「キスしてもいいか?」
「おはようのキスまでには、まだ時間があります……んっ」
 ラウルはすぐにリネットの唇を塞いだが、すぐに唇を割って入ってくる。
 そこからしつこいキス以上のふれあいが始まったのは、いうまでもない。

 調査三日目の昼過ぎ。荒らされた場所の特定と、盗まれた遺物の確認が終わった。
「我々の調査は以上だが……」
 事務所内で報告をしていたラウルは、リネットにチラリと視線を向けた。彼女は黙って騎士団の報告を聞いていたが、その視線はヤゴル遺跡の地図を追っている。
「何か、意見はあるだろうか?」
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