【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
第八章
1.
「え……? キサレータから皇帝がやって来る?」
ラウルとの夕食を終え、部屋へと戻ってきた。そして二人でくつろぐために、ラウルが葡萄酒の準備をし終えたところで、そんなことを言い出した。
信じられない気持ちによって、リネットの心臓が早鐘のように打つ。
「あぁ……例のヤゴル遺跡の件。帝国が絡んでいただろう?」
ラウルが言うように、ヤゴル遺跡の遺物を盗んだ者たちは、帝国の商人から依頼されたとのこと。高く値がつくから、臨時調査員として遺跡に潜入して、四つの遺物を盗んでほしいと。だから盗みに入った彼らは、四つの遺物でどんな作用があるかまでは理解していなかった。
「そうですね。遺物のうち三つはすでに帝国の商人に渡っているものと思われますが……」
「あぁ。その遺物を返却するために、皇帝自ら、謝罪をかねてこっちに来るらしい」
リネットの身体は無意識のうちに震えていた。
「リネット」
隣に座るラウルが、やさしく抱き寄せる。
ラウルとの夕食を終え、部屋へと戻ってきた。そして二人でくつろぐために、ラウルが葡萄酒の準備をし終えたところで、そんなことを言い出した。
信じられない気持ちによって、リネットの心臓が早鐘のように打つ。
「あぁ……例のヤゴル遺跡の件。帝国が絡んでいただろう?」
ラウルが言うように、ヤゴル遺跡の遺物を盗んだ者たちは、帝国の商人から依頼されたとのこと。高く値がつくから、臨時調査員として遺跡に潜入して、四つの遺物を盗んでほしいと。だから盗みに入った彼らは、四つの遺物でどんな作用があるかまでは理解していなかった。
「そうですね。遺物のうち三つはすでに帝国の商人に渡っているものと思われますが……」
「あぁ。その遺物を返却するために、皇帝自ら、謝罪をかねてこっちに来るらしい」
リネットの身体は無意識のうちに震えていた。
「リネット」
隣に座るラウルが、やさしく抱き寄せる。