【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
体温が伝わり、リネットの不安な心をやわらげる。そのまま彼の背に手をまわすと、トクントクンと鼓動が重なった。
アルヴィスがセーナス王国にやってくる。しかし彼は、リネットがここにいるとは知らないはずだ。それにリネットは彼に捨てられたのだ。何もできない、役立たずの側妃として、ぽいっと。
今はラウルがいる。こうやって心乱れるときに側にいてくれる彼が。
アルヴィスが来ているうちは、どこかに隠れていればいいだろう。ブリタやエドガーだって、リネットの過去を知っているのだ。間違いなく味方になってくれる。
それでもどこか不安は尽きない。
またキサレータ帝国につれていかれたら?
「……リネット?」
ラウルに抱かれながらも、どこかぼんやりとしていたらしい。名を呼ばれて我に返れば、ふと考えていた言葉が口から飛び出した。
「あの、ラウルさん……私と、婚約してくださいませんか?」
「ん、んっ?」
驚いたラウルが腕をゆるめ、リネットの顔をのぞき込んでくる。
「今、なんて言った?」
アルヴィスがセーナス王国にやってくる。しかし彼は、リネットがここにいるとは知らないはずだ。それにリネットは彼に捨てられたのだ。何もできない、役立たずの側妃として、ぽいっと。
今はラウルがいる。こうやって心乱れるときに側にいてくれる彼が。
アルヴィスが来ているうちは、どこかに隠れていればいいだろう。ブリタやエドガーだって、リネットの過去を知っているのだ。間違いなく味方になってくれる。
それでもどこか不安は尽きない。
またキサレータ帝国につれていかれたら?
「……リネット?」
ラウルに抱かれながらも、どこかぼんやりとしていたらしい。名を呼ばれて我に返れば、ふと考えていた言葉が口から飛び出した。
「あの、ラウルさん……私と、婚約してくださいませんか?」
「ん、んっ?」
驚いたラウルが腕をゆるめ、リネットの顔をのぞき込んでくる。
「今、なんて言った?」