【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 ふふふ……とリネットが声をあげて笑い出した。
「男の僕からしたら、痛い話だけどね!」
 エドガーが口を挟んで顔をしかめた。
「呪いとは人の気持ちが具現化したものと言われているからね。そうしなければならない状況が過去にはあったんだろうね。呪いを調べることでその国の内情がよくわかる。帝国に対抗する力をつけたいというのであれば、呪いを解読するのも一つの方法だ」
 ブリタの言葉に背中を押され、リネットに心に目標が芽生えた。
 だが、まずは心身ともに回復を望まれた。リネットが正式に魔法師と認められるまでは、治療室でたっぷりと休養をとることとなった。
 後日、セーナス国民となったリネットは正式に魔法師に任命され、各国の呪いの研究に夢中になって取り組み始めた。
 今までの針の筵のようなキサレータ帝国の生活から解放され、安心したのだろう。
 そのせいか、リネットは研究以外ではすっかりと気が抜け、ずぼらな一面を見せるようになってしまった。
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