【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 ワンピースを上からかぶせて、その下でネグリジェを脱がせようとしていたのだ。だからラウルの顔がちょうど胸元にあったのだろう。
 ブリタであれば魔法で一気にリネットを着替えさせてくれるのだが、ラウルは魔法が使えない。使えていたら、騎士ではなく魔法師になっていたはずだ。
「釦ははずしたか?」
「は、はい」
「よし、立ちなさい」
 ラウルに促され、リネットは渋々と立ち上がった。
 されるがまま、ネグリジェの袖口をラウルが引っ張ると、するっと一気に脱げた。
「これは、洗濯に出しておくけど、いいか?」
 ラウルの手の中に、今まで着ていたネグリジェがある。その状況を恥ずかしいと思う気持ちが、リネットにも少しはある。
「え? あ、私、自分でできます」
 顔を赤らめたリネットは、ラウルからネグリジェを取り返そうとした。
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