【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「でも、同性からのキスでも本当に呪いは緩和されるのかというのも気になっているんですよね。呪い事典には『対象が人間であればいい』って書いてありましたけど、呪いの成り立ちから考察するに、そこに矛盾を感じると言いますか……。いえ、それよりも、早くあの呪いを解かなければ、私のほうが危ないです」
「何? 貞操の危機? やっぱり発情して襲われかけた?」
「違います。朝早くから起こされ、散歩に付き合わされ、さらに朝食まで……考えてみたら、拷問じゃないですか!」
 リネットは力説するものの、エドガーや他の二人も「どこが?」と首をひねる。
「私の安眠を守るためにも、早くあの呪いを解く方法を見つけなければなりません!」
 そう気合いを入れて、リネットは小さく拳を握った。机の上には、魔法史と呪いに関する資料が山積みになっていて、微妙なバランスを保っている。
「あ、それよりも。さっきここに来るまでの間、変なことを言われたんですよね」
 席につき、机の中から呪いについて書いた帳面を開きながら、リネットはそう口にする。
「変なこと? 何を言われた?」
 エドガーの声色が変わったのは、リネットの身分が知られることを懸念しているのだ。
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