【完結】春の庭~替え玉少女はお飾りの妻になり利用される~
15 少女の私と、最悪の虐待
今日はコンサートのない日だったので、一日中部屋に閉じこもっていた。
ミュリエル様の代わりにピアノを演奏し、コンサートをするようになって、私の部屋は屋根裏部屋から音楽室に移った。
ピアノはいつでも練習できるように置かれたままで、使用人用の大部屋にあったベッドが運び込まれ、文字を勉強するための机と椅子も置かれている。
壁には2台の本棚が置かれ、一台にはピアノの譜面がぎっしりと、もう一台には音楽論の本が並ぶ。
この部屋に移ってからは、食事も3食貰えるようになり、18歳になった今、多少小柄で痩せ気味だが娘らしい体形になっていた。
演奏に支障をきたすと思ったのか、マティルダ様に殴られることもなくなった。
ただ、いつも忌まわしそうに睨んでくるし、父である伯爵様は私をいない者として扱った。庭にも出してもらえないし、この音楽室とコンサートホール以外の世界を私は知らない。
私は変わらず死なないから生きている、それだけだった。
日が暮れ、夕食を食べて夜着に着替える。
そろそろ、その時間がやってくる。
14歳になり、生理が始まり胸がふくらみ始めた頃、殴らない代わりにマティルダ様は度々使用人の男を私の部屋に入れるようになった。
「これは娼婦の娘なの。お前の好きにしていいわ」
「奥様、こんな細っこい子どもに入れちまったら、裂けちまいますぜ。座れなくなるかもしれんけど、いいんですか?」
「……それは困るわ。とにかくケガはさせないで。それ以外なら何してもいいから」
そう言ってマティルダ様は足早に出て行った。
「すまんなぁ。何も知らない子どものあんたにこんな事したくないんだが、奥様の命令だ。やらなきゃ首を切られるんだ。許せよ」
『何も知らない子ども』?
私は確かに子どもだけど、何も知らないわけじゃない。そういう意味では娼婦の娘なのだ。
母に子どもがいることを偶然知った客に「そこでずっと見ていろ」と言われて全てを見せつけられたことがある。見られて興奮するたちの客だったらしく、そういう客は一定数いた。
男に身体をまさぐられると鳥肌がたつ。
そういう時は『春の庭』を頭の中で奏でる。
頭と身体が切り離せば、瞼の裏には温かな春風がそよぐ。
何一つ辛い事なんてない。
そういえば、母は声を出していたな。出さなきゃいけないんだろうか。
「あっ…あん…」
「ははは気持ちいいのか? 子どもでも女なんだな。」
そう言って男は嬉しそうにした。
それからも何人もの男たちの相手をしたがその度、声を出したら男たちは格段に優しくなって、お土産にお菓子をくれるようになった。
飴を貰った時、洗濯女のおばちゃんたちの涙を思い出した。
「いやらしい! 声なんてあげて! 娼婦の子はやっぱり娼婦ね!」
マティルダ様は嬉しそうに私の髪をつかみあげる。
「子どものくせに気持ち良くなるなんて、なんておぞましいの!」
この行為で気持ち良くなるのは、いけない事なんだ。
知らなかった。
母はいつも気持ち良さそうに声をあげてたけど、ウソだったのかな?
「旦那様がお前には利用価値があるかもしれないから、乙女のままにしておけと言われたわ。だけどね! こんな行為を喜んでいるお前はもう充分汚れているのよ! キズものなの!」
こんな風になる前に、マティルダ様に打たれたムチの跡が背中にあるから、とっくに『キズもの』だってメイドたちには言われていたけれど、それも違うのかな。
ミュリエル様の代わりにピアノを演奏し、コンサートをするようになって、私の部屋は屋根裏部屋から音楽室に移った。
ピアノはいつでも練習できるように置かれたままで、使用人用の大部屋にあったベッドが運び込まれ、文字を勉強するための机と椅子も置かれている。
壁には2台の本棚が置かれ、一台にはピアノの譜面がぎっしりと、もう一台には音楽論の本が並ぶ。
この部屋に移ってからは、食事も3食貰えるようになり、18歳になった今、多少小柄で痩せ気味だが娘らしい体形になっていた。
演奏に支障をきたすと思ったのか、マティルダ様に殴られることもなくなった。
ただ、いつも忌まわしそうに睨んでくるし、父である伯爵様は私をいない者として扱った。庭にも出してもらえないし、この音楽室とコンサートホール以外の世界を私は知らない。
私は変わらず死なないから生きている、それだけだった。
日が暮れ、夕食を食べて夜着に着替える。
そろそろ、その時間がやってくる。
14歳になり、生理が始まり胸がふくらみ始めた頃、殴らない代わりにマティルダ様は度々使用人の男を私の部屋に入れるようになった。
「これは娼婦の娘なの。お前の好きにしていいわ」
「奥様、こんな細っこい子どもに入れちまったら、裂けちまいますぜ。座れなくなるかもしれんけど、いいんですか?」
「……それは困るわ。とにかくケガはさせないで。それ以外なら何してもいいから」
そう言ってマティルダ様は足早に出て行った。
「すまんなぁ。何も知らない子どものあんたにこんな事したくないんだが、奥様の命令だ。やらなきゃ首を切られるんだ。許せよ」
『何も知らない子ども』?
私は確かに子どもだけど、何も知らないわけじゃない。そういう意味では娼婦の娘なのだ。
母に子どもがいることを偶然知った客に「そこでずっと見ていろ」と言われて全てを見せつけられたことがある。見られて興奮するたちの客だったらしく、そういう客は一定数いた。
男に身体をまさぐられると鳥肌がたつ。
そういう時は『春の庭』を頭の中で奏でる。
頭と身体が切り離せば、瞼の裏には温かな春風がそよぐ。
何一つ辛い事なんてない。
そういえば、母は声を出していたな。出さなきゃいけないんだろうか。
「あっ…あん…」
「ははは気持ちいいのか? 子どもでも女なんだな。」
そう言って男は嬉しそうにした。
それからも何人もの男たちの相手をしたがその度、声を出したら男たちは格段に優しくなって、お土産にお菓子をくれるようになった。
飴を貰った時、洗濯女のおばちゃんたちの涙を思い出した。
「いやらしい! 声なんてあげて! 娼婦の子はやっぱり娼婦ね!」
マティルダ様は嬉しそうに私の髪をつかみあげる。
「子どものくせに気持ち良くなるなんて、なんておぞましいの!」
この行為で気持ち良くなるのは、いけない事なんだ。
知らなかった。
母はいつも気持ち良さそうに声をあげてたけど、ウソだったのかな?
「旦那様がお前には利用価値があるかもしれないから、乙女のままにしておけと言われたわ。だけどね! こんな行為を喜んでいるお前はもう充分汚れているのよ! キズものなの!」
こんな風になる前に、マティルダ様に打たれたムチの跡が背中にあるから、とっくに『キズもの』だってメイドたちには言われていたけれど、それも違うのかな。