義弟の甘い罠は壊れるほど狂おしく【長編版】
*
「えっ、デート!?」
仕事終わり、事務所で保科さんを呼び止めた私は、そんな反応をされてたじろいだ。
保科さんは目を瞬かせたあと、信じられないといったように眉を上げ、こちらをまじまじと見つめてくる。
「……そ、それって、二人っきり、ですか……?」
その言葉に、胸がチクリと痛む。
保科さんは多分、私のことを──。二人で食事に行った日のことを思い出す。
けれど、律のためにここで引き下がるわけにはいかない。私は意を決して口を開いた。
「えぇと、実は──」
言いづらいけれど、なんとか笑顔を作って事情を説明した。
今日の目的は、真子さんと律をくっつけること。二人っきりにさせていい雰囲気にしたい……と。
「……なるほど」
保科さんは一瞬目を伏せ、顎に手を当てて黙り込んだ。
すると、小声でぶつぶつと何か言い始めた。
「これは厳密に言えばデートではないかもしれない。しかし、三浦さんと律くんが二人きりになれば、必然とこちらも二人きりになるというわけで……」
「……ん? 何か言いましたか?」
「いいえ。いいですよ、協力しましょう」
「本当ですか、良かったです!」
申し訳ない気持ちもあったが、意外にも保科さんが乗り気なようで安心した。
「えっ、デート!?」
仕事終わり、事務所で保科さんを呼び止めた私は、そんな反応をされてたじろいだ。
保科さんは目を瞬かせたあと、信じられないといったように眉を上げ、こちらをまじまじと見つめてくる。
「……そ、それって、二人っきり、ですか……?」
その言葉に、胸がチクリと痛む。
保科さんは多分、私のことを──。二人で食事に行った日のことを思い出す。
けれど、律のためにここで引き下がるわけにはいかない。私は意を決して口を開いた。
「えぇと、実は──」
言いづらいけれど、なんとか笑顔を作って事情を説明した。
今日の目的は、真子さんと律をくっつけること。二人っきりにさせていい雰囲気にしたい……と。
「……なるほど」
保科さんは一瞬目を伏せ、顎に手を当てて黙り込んだ。
すると、小声でぶつぶつと何か言い始めた。
「これは厳密に言えばデートではないかもしれない。しかし、三浦さんと律くんが二人きりになれば、必然とこちらも二人きりになるというわけで……」
「……ん? 何か言いましたか?」
「いいえ。いいですよ、協力しましょう」
「本当ですか、良かったです!」
申し訳ない気持ちもあったが、意外にも保科さんが乗り気なようで安心した。