義弟の甘い罠は壊れるほど狂おしく【長編版】


 
「姉さんとデート!?」

 家に帰り律を誘うと、目をまん丸にして叫んだ。
 次の瞬間、顔がぱあっと明るくなる。
 な、なんでそんなに嬉しそうなの?
 
「ち、違うって!」

 慌てて手を振る。

「ほら、同じ事務所の先輩が、律の大ファンで──」

 言い終える前に、律はどんどん妄想を膨らませているらしく、顔が緩みっぱなしだ。

「って、聞いてる!?」

 私のツッコミも虚しく、律の耳には「姉さん」「デート」の単語だけがこだましているらしい。
 浮かれた様子が全身から漏れていて、こっちが恥ずかしくなるくらいだ。
 
(……ほんとにわかってるのかな。今回の主役は真子さんと律なんだけど……)
 
 先が思いやられる気しかしなかった。
 
 
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