義弟の甘い罠は壊れるほど狂おしく【長編版】
「──っ!」

 ベッド。机。窓際。
 見慣れた部屋が、いろいろな角度から映し出されている。
 
「……これ……私の部屋……!?」
 
 頭が真っ白になった。立っているのもやっとで、足元から血の気が引いていくのが自分でもわかる。胸がぎゅっとつかまれたように苦しくて、空気がうまく肺に入らない。
 
(息が……)
 
 吸うたびに呼吸が浅く速くなっていく。視界がじわりと滲み、遠くで誰かがざわざわと話しているような耳鳴りがする。
 必死に口元を手で覆い、逃げる息を押しとどめようとするけれど、全然追いつかない。
 
 ──いったい、いつから?
 ずっと見られていた……律に……?

 目の前の三つの画面がぐにゃりと歪んで見えた。涙か、目眩なのか区別がつかない。
 膝が笑い、倒れそうになったその時──。
 
「──あーあ。見つかっちゃった」
 
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