義弟の甘い罠は壊れるほど狂おしく【長編版】
 兄さんと姉さんが結婚して、新居に移った。
 俺は、自室でアルバムをめくる。
 今までに撮り溜めた、姉さんの写真。
 中学の時から、今までの。いろんな写真。
 さみしい、とかそんな感情はなかった。
 車を使えば、会える距離だし。
 写真を眺めているだけで、いつでも姉さんを感じられた。
 コルクボードに、数人の男の写真。
 姉さんが中学生の頃、言い寄ってきた男子が最初だった。
 姉さんに近づかないように釘を刺しておいた。
 その次は……高校生の時。姉さんを紹介してくれって頼まれて断って、他の女の子紹介してやった。そのまま付き合ったあたり、誰でも良かったって感じがして嫌な気分になった。
 大学の時も、いい雰囲気になった男がいた。
 そいつに他の女の子を近づかせたら、あっさり乗り換えた。
 そして、今。
 同じ事務所の保科さんの写真が、コルクボードにある。
 彼は、見ている限り良識がありそうだったから様子見してる。だけど、姉さんに手を出そうとしたら──

「〝排除〟しちゃうかも」


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