幼なじみの、隠しごと。

第五話 不思議な気持ち

「いってきます」


玄関でつぶやいて、外に出る。

今日は、いつもよりもっと早い時間に家を出た。

叶と離れるために、まずは一人で登校してみることにしたのだ。

まだ人が少ない道を進んで、学校へ向かう。

……いつも握っている手が寂しいけど、気づかないふりをする。

これくらい慣れないと、ずっと変わらないままになってしまいそうだから。


「あっ、輝井さん! おはようございます。今日は早いですね? それに、碇代がいませんけど……」

「おはよう! 今日から、ちょっと早めに出発しようかなって……あと、これからは一人で登校することにしたの」


私がそう言うと、挨拶してくれた人は驚いた様子だ。

そのことを不思議に思いながらも、そのままどんどん道を進んでいった。

人が全然いなくて、とても静かだ。

……早く、この静かさに慣れないと。

そう気合いを入れながら、歩いていく。

いつも通りの道のはずだが、いつもと違って人がいないのが珍しい。

寂しさを誤魔化すために、きょろきょろと周りを観察しながら進んでいく。

長いような短いような、そんな時間を過ごしていると、急に後ろから声をかけられた。


「唯月! なんで先に行ってるの?」

「あっ、叶……! え、えっと……そろそろ、叶と離れようかなって思って……」

「は?」
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