幼なじみの、隠しごと。
控えめにうなずくと、風華は軽くため息をついて、叶を手招きする。

叶は軽く首を傾げながら、こっちに近づいてきた。


「あんた、先生に呼ばれてたんじゃなかったっけ? 早くいってきたら?」

「ああ、そうだったね。行ってくる。先に食べておいてね」

「当たり前でしょ、待つわけないじゃない」


風華はふんっ、と叶を睨むように言う。

叶はそんな風華を面白そうに笑うと、「また後でね」と校舎の方に向かっていった。

……行っちゃった。

少し寂しく感じていると、風華がこっちを振り向いて聞いてくる。


「それで? どうしたの?」

「えっと……叶と離れようかなって言ったら、怒られちゃって……」

「はぁ!? あんた、碇代と離れようとしたの!?」

「う、うん……」


うなずくと、風華は「はぁ……」とため息をつく。

そ、そんなにおかしなことなのかな……叶と離れるのは。

戸惑っていると、風華が小さな声で聞いてきた。


「……もちろん、そう考えた理由もあるわよね?」

「う、うんっ!」

「じゃあ、教えてくれる?」
< 35 / 65 >

この作品をシェア

pagetop