幼なじみの、隠しごと。
「おはよう、唯月!」

「おはよう、風華! 今日は機嫌が良さそうだけど、何かあったの?」


私が聞くと、風華は「わかっちゃった?」と照れたように顔を赤くした。

焦茶色の髪が頬に垂れてきて、顔を軽く隠す。

でも若葉色の瞳は、話を聞いて欲しそう輝いている。


「実はね、彼氏ができたの……!」

「ええっ、すごい! おめでとう、風華っ!」

「ありがとう!」


風華はとても嬉しそうな顔で微笑む。

とっても幸せそうで、こっちまで嬉しくなってくる。


「聞いてよ〜! 彼氏の方から告白してくれたんだけどね……」


風華が話そうとしたその時、ちょうどチャイムが鳴ってしまった。

風華は「また後でね!」と言って前を向く。

私もちょっと気になったけど、先生が教室に入ってきたので我慢した。




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