幼なじみの、隠しごと。
「……うん、平気だから早く説明して?」

「わかった……それで、お揃いの服を着るわけなんだけど、デートコーデって……いいのかな」

「うん、よくないと思うよ。だからやめておいたら?」


叶は早口でそう言う。

な、なんだか……平気だって言ってるけど、やっぱりおかしいよっ。

なんだか怖い……困惑していると、さらに叶が言う。


「そうだ、今日はもう帰ろうよ。やめておいたほうがいい」

「え、えぇ……? わ、わかった……あ、なら白夜さんに挨拶してきてもいいかな?」

「うん、駄目。早く帰ろうか」

「えぇ!?」


驚いている私を引きずるようにして、叶はスタジオの出口に向かう。

ちょ、ちょっと……!

せめて挨拶だけでも……と考えて、スタッフさんに向けて言う。


「あ、あの! 今日はちょっと帰ります! また来ますねっ!」

「うん、また来てね」


スタッフさんは私が急に帰ることを気にせず、挨拶を返してくれた。

そのまま叶は私を連れて、スタジオを出る。

帽子を被せて眼鏡をつけられて、流石に我慢できなくなって叫ぶ。
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