再会した初恋の幼馴染との距離が近すぎて困ってます! ~離れて初めて気付く恋~
3.高校時代にやりたかったこと
朝陽に番号を教えてから、毎日メッセージのやり取りをした。私の食事事情を管理するためという事で朝昼晩の食事を撮った写真を送っているからだ。
送るたびに少ないだの野菜を食えだのと煩いメッセージが返ってくる。お前は私の母ちゃんか。煩い母は一人だけで十分だ。
律儀な事にあっちも食事の写真を送ってくる。これくらい食え、なんて言ってくるけど……お前と私の食べる量は一緒じゃない。そこは分かってほしい。
そんなある日の事だった。
「おい、なぁにがうちのアパート下に集合だよ」
「よし乗れ」
「はぁ?」
朝、まぁた朝陽のスマホでモーニングコールをされ、アパート下に集合なんていうおかしなメッセージが送られてきた。その理由を聞いても「来い」ばかり返され半ギレになりそうになりつつも仕方なく集合してやった。
車で来ていたらしく、運転席に乗っていた朝陽に助手席を指さされた。文句を言うために助手席のドアを開けたらこれだ。
それでも乗ってやったはいいものの、行き先は全く教えてもらえなかった。それよりも、違うところに気になってしまったから。
「うわ、朝陽が運転してる……」
「何だよ、子供だったのにってか。毎日車で出勤してるんですけど?」
「……安全運転でお願いします」
「心得てるって。誰か乗せる時なんて特にな」
それでお願いします。
前に顔を向けつつも、朝陽の運転姿を横目で盗み見た。
別人だ。いや、朝陽だって分かってはいるけれど、別人だ。
私が朝陽の知らない部分を見つけるたび、大人だなぁって思ってしまっているのは……まだ私が高校生のままだって事なのだろうか。早く大人になれ、と言われているように感じるのは気のせいだろうか。