嘘つきな天使
モヤモヤする気持ち。

■モヤモヤする気持ち。


今夜は満月。ブラインドをを開けた窓から月明かりが私たちの裸体を照らし出していた。

「天真……待って。せめてブラインド閉めよ」と言うと

「何で?彩未の体見てたい」と天真が至極真剣に言って私の首元にキスが落ちる。

それは優しい口づけだったけれど、やがて噛みつかれるような強く吸われるようなものに変わった。

「天真……ちょっと…私、明日私仕事」

キスマークは困ると暗に忠告したが

「ファンデーションで隠しとけ」と俺様発言。そんな簡単に言うけどねー。社会人的常識としてどうなの?って”この”天真に言うのも間違ってるかぁ。

「もう、そんなこと言って……」とは言いつつも首筋をまたも優しく口づけされるとそれ以上何も言えなくなる。

ダメだ…天真には適わない。

とろけるような快感に身を委ねて、でも何故か今日は少しだけ意地悪したくなって天真の肩を押し戻すと「?」マークを浮かべた天真を今度はベッドに倒して私が天真の上にまたがった。

「積極的だな」ふっと天真は笑った。

「何とでも言って」私は長めの前髪をかきあげると今度は天真の鎖骨にキスを落とした。

「彩未……嬉しいがそこは……」と天真がくすぐったそうに体をよじる。

「何、くすぐったいの?」と笑うと

「いや、すっげーいい」

「そ」

私は天真の鎖骨に舌を這わせると、天真の腰が僅かに浮いた。天真のそれはもう十分堅さを持ちつつそそり立っている。

「あや………」

「なぁに?経験なし?まさかね」と挑発的に笑うと

「俺はとんでもないイイ女に育てちまったみたいだ」と言いながら天真が腹筋だけで起き上がり私の体を抱きしめる。

そこから淫らなベッドが軋む音が響くのは時間がかからなかった。

この前も思ったけど、天真ってすっごく気持ちいい。

キスを交わしながら繋がった部分が熱を持ったように熱い。ああ、本当にとろけそう。
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