天敵スズメバチ王と政略結婚しましたが、食べられそうなのは私の心です 〜溺れるのは蜜か毒か〜

「王妃様、遅くなって申し訳ありません!
……よくぞご無事で!」


ルーラが駆け寄り、カミリアの手をぎゅっと握る。


「え、ええ……二人とも無事でよかった……!」


ようやく緊張がほどけ、カミリアの足が笑い出す。
気づけば、手も翅もカタカタとふるえていた。


「カマキリに立ち向かうミツバチ……
これは歴史に残る快挙だな。よくやった、カミリア」


アザレオがぽんとカミリアの頭に手を置く。


「お前が投げた団子がなければ、俺は危なかった」
「……私、もう、無我夢中で……
花粉団子が、あんな武器にもなるなんて……」
「素晴らしい機転だ」


その言葉に、カミリアの目が潤む。



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