天敵スズメバチ王と政略結婚しましたが、食べられそうなのは私の心です 〜溺れるのは蜜か毒か〜
たくましい漆黒の翅を持ち、最強の武を誇るヴェノミールもまた、蜜不足と"後継者不足"にあえいでいた。
女王が死に、近年の異常気象の影響で
新女王を育てるための栄誉も枯渇し…
後継が育たぬまま国は一時混乱に陥った。
そこで最も強く、最も毒を恐れられた
ひとりの男蜂が"稀代の王"として立てられた。
それが、現王【アザレオ】であった。
一触即発だった両国の間に交わされたのは、政略の取引だった。
『フロライアをヴェノミールの庇護下に置く条件として、冬季間の蜜の献上及び、王女を王妃として差し出すこと』――
その王女こそ、カミリアだった。